お母様の遺品整理で出てきたきものを自分が着られるように直したいというお客様がいらっしゃいました。
お客様は60代ですが、出てきたきものは赤紫の無地紋付き。
さすがにこの色では着られない。とのことでした。
そうですよね。
ですが長年しまっていたものは湿気などで生地が弱ってしまっているものも多いんです。生地が弱ってしまっていると染め替えが難しいため弱地になっていないかの確認が必要になってきます。
こちらのきものを一部ほどいて確認しましたが、全く弱っていなかったので次に色を決めていくことになりました。
このピンクを消すように色をかけていくとなると、どうしても黒に近い色になってしまうため、今回は色を抜いて新しい色をかける技法をすることにいたしました。
濃いベージュからだんだん薄いベージュになるようにし、そして真ん中に白場を作ることによってすっきりとした印象に見えるように染め上げました。
お客様にも大変喜んでいただけて、こちらもこのお仕事を任せていただけたことを大変嬉しく思います。
お母様が残してくれた大切なきものであっても、自分の好みではない。というお悩みはよく耳にします。
そんな時、ただしまっておくのではなく、染め替えや仕立て直しという選択肢もありますのでぜひ一度ご相談いただければと思います🍀



